Jenő Jandó(イエ―ネ・ヤンドー)ピアニスト
Jenő Jandó(イエ―ネ・ヤンドー)ピアニスト
1952年ハンガリー南部の町ペーチの音楽一家に生まれる。7歳より高名なピアニストである母からピアノの手ほどきを受け、16歳でブダペストのリスト音楽院に入学、カタリン・ネメシュとパール・カドシャに師事。
入学して2年後の1970年にはハンガリー放送主催のベートーヴェン・ピアノコンクール第3位、1972年にはシフラ国際ピアノコンクール第2位、1973年にはハンガリー・ピアノコンクール第1位、1975年にはミラノ・スカラ座主催の第1回ディノ・チアーニ国際ピアノコンクール第2位、1977年にはシドニー国際ピアノコンクール室内楽部門第1位と入賞を重ねた。リスト音楽院を卒業後はカドシャ教授の助手として同校に残り、1985年からリスト音楽院の教授を務める。後進の指導にあたるかたわら、国内はもとより東西ヨーロッパ、カナダ、日本で活発な演奏活動を展開、わが国には1979年に初来日以来、来日は15回を数える。旺盛な録音活動にも瞠目すべきものがあり、ナクソス・レーベルには独奏曲、協奏曲、室内楽曲を合わせてすでに100枚近いCDをリリース、そのいずれもが曲の本質を端的に突く演奏として各国で好評を博し、売り上げは年に35万枚以上を数え、現在世界でもっともCDが売れているピアニストといわれる。鋭い直感力、卓越した理解力と表現力はまさに超人的といって過言でない。このほかフンガロトン、コッホ・シュヴァン、レーザーライト、ドイツ・グラモフォンの各レーベルにユニークな録音があり、フンガロトン・レーベルでは、リストの死後出版作品の録音で1992年度ハンガリー・リスト協会グランプリを受賞した。ナクソス・レーベルでは現在、全75巻に及ぶ大プロジェクト、リスト・ピアノ曲全集の中核を担うピアニストとして、協奏曲を含むリストの主要なピアノ曲の録音に精力的に取り組む一方で、バルトーク全集もリリースされ始めたが、そのあふれ出るエネルギーは愛好家を驚愕させている。これまでバルトーク‐パストリ賞を受賞したほか、ハンガリー国の最高位賞であるコシュート賞を受賞した。